チェーンスリングの使用上の注意

チェーンスリングの点検は日常点検として使用前に、また定期点検として月1回、安全管理責任を決めて、正しく行ってください。製品ごとに使用管理やその他の履歴管理を徹底して行ってください。

  1. フックに外れ止め装置(ラッチ)が付いていますか?
  2. 外れ止めがすぐ壊れるようになっていませんか?
  3. 荷は必ずフックの中央で吊るすようにし、先端では吊らないで下さい。
  4. 荷はバランスよく吊るすようにして下さい。また荷を吊り下げたままで長時間放置しないで下さい。
  5. チェーンの摩耗や伸びによる使用限界を守り、変形や亀裂が生じているものは使用しないでください。
  6. 欠陥の生じたチェーンを溶接、肉盛又は熱処理を施すなどして再使用しないでください。
  7. クレーンフックにはラッチの装置が義務付けられています。

(労働省基発 第902号)

チェーンスリング使用上の注意

最大使用荷重別に正しく保管して下さい。

保守点検及び定期点検を正しく行ってください。

チェーンやフックをハンマーなどで叩くような無理な吊り方をしないで下さい。

チェーンをねじらせたりり、ボルトでつないだりしないで下さい。

ショック荷重は、オーバー荷重になります。最小限に急な引き張りはさけてください。地切り・着地に注意してください。また、常時振動を受けやすい作業では安全率に十分余裕を見て下さい。

鋭い角には、パッドを使って吊り荷とチェーンの保護をしてください。
2本吊り、3本吊り、4本吊りの場合、チェーンに平均に荷重がかかるようにして下さい。荷姿によって負荷の大きい方を基準にチェーンの長さを調節出来るスリングを選定下さい。

使い方による最大使用荷重を理解して、決してオーバー荷重しないようにして下さい。特にスリングの基本荷重と吊り角度により使用荷重が変わりますので注意してください。

点検及び廃棄基準
点検事項 廃棄基準 補修及び対策
p28-08 摩耗 X=最大0.1D 短期間に基準に達するばあには粉塵によるためか、もしくは荷重が大きすぎるかの原因があるからでその都度適切な解決をはかる。
オーバーロード
による伸び
Y=最大0.05D 外ピッチに伸びが出たらオーバーロードです。サイズアップして下さい。
p28-09 曲がり 最大0.05D 曲がり又はねじれが発生していることは、オーバーロード(集中荷重)によるものです。荷重に見合った強さのチェーンにサイズアップして下さい。
p28-10 ねじれ 最大0.05D
p28-11 アークス
トライク
小さいものでも不可 廃棄
き裂 深さ最大0.05D 深さD×0.05迄のものであれば、グラインダー又はヤスリにて滑らかに削り取る。
深さ0.05D 鋭利な傷はグラインダー又はヤスリにて滑らかに削り取る。
変色 灰色・純青色は不可 変色しているのは熱影響を受けたためで、強度の点で(表B)の範囲内で使用されているか検討する。